ワールドカップの話題を追っていたら、思わぬところで目が止まりました。
2026年6月16日、日本代表と同じグループFに入るチュニジア代表が、大会期間中に監督交代を発表しました。新監督の名前は、エルヴェ・ルナール。
ニュースで写真を見た瞬間、「あれ、この人……かっこよくないですか?」と思ってしまいました。
SNSでも同じ反応の方が続出していたようで、「イケオジすぎる」「白シャツが似合いすぎ」という声が広がっていました。「白シャツの魔術師」とも呼ばれるルナール監督、気になって調べてみたら、見た目だけじゃない、とんでもない経歴の持ち主でした。
エルヴェ・ルナールとは?基本プロフィール
・名前:エルヴェ・ルナール(Hervé Jean-Marie Roger Renard)
・生年月日:1968年9月30日(57歳)
・出身地:フランス・エクス=レ=バン
・身長:184cm
・現役時代のポジション:DF
現役選手としてはフランス下部リーグのASカンヌ、SCドラギニャンなどでプレー。実は若い頃、カンヌの下部組織でジネディーヌ・ジダンと同じチームにいたこともあります。とはいえ、大きな実績を残したスター選手ではありませんでした。
清掃員から監督へ──知られざる下積み時代
ここが個人的に一番驚いたエピソードです。
1998年に現役を引退したルナール氏は、生活費を稼ぐために清掃の仕事を始めます。毎朝2時半に起きてゴミ出しやビルの清掃をこなし、午後5時から夜はアマチュアチームの指導に当たる生活を約8年間続けたといいます。やがて自分の清掃会社を立ち上げ、朝は清掃、夕方からは指導という二足のわらじを履き続けました。
「フットボール選手としての人生は特別で恵まれている。それを忘れてはいけない」と後に語ったルナール氏。そのストイックな言葉の重みは、この時代があってこそだと感じます。
「白シャツの魔術師」と呼ばれる理由
ルナール監督といえば、トレードマークは白いシャツ。試合中も記者会見でも、ピッチサイドに立つときも、いつも白シャツ姿で登場します。
2018年のロシアW杯でモロッコ代表を率いたとき、俳優のような美しい容姿とトレードマークの白いシャツが世界中で話題になりました。日本でも「イケメンすぎる監督」として当時大きく注目されていたので、覚えていらっしゃる方も多いかもしれません。
2022年カタールW杯では、アルゼンチン相手に歴史的勝利を収めた直後、感極まって白シャツ姿のままピッチに倒れ込む姿が世界中に流れました。あの場面を見て「誰この人?」となった方もいたのではないでしょうか。
実績が凄すぎる──「下克上」の連続
見た目の話だけで終わらないのがルナール監督です。
ザンビアで起こした「奇跡」(2012年)
2012年のアフリカネイションズカップ。ルナール監督が率いたザンビア代表は、決勝でコートジボワールとPK戦8対7で激闘を制し、ザンビア史上初の優勝を果たしました。
決勝の地はガボン。1993年にガボン沖で飛行機が墜落し、ザンビア代表18人が命を落とした悲劇の場所のすぐ近くでした。この優勝は、あの事故で亡くなった選手たちに捧げられたものでした。19年越しの、魂の優勝です。
3か国でネイションズカップ制覇
2015年にはコートジボワール代表をアフリカ王者へ導き、異なる2か国で同大会を制した史上初の監督となりました。さらにモロッコ代表でも指揮を執り、アフリカ3か国でネイションズカップを制した唯一の監督として知られています。
アルゼンチンを撃破した夜(2022年)
2022年カタールW杯グループステージ初戦。W杯まで36試合無敗を維持していたアルゼンチン(FIFAランキング3位)相手に、前半メッシのPKで失点しながらも、後半に2ゴールを決めて逆転勝利。W杯でアジア勢がアルゼンチンに勝利したのは史上初という大番狂わせでした。試合後に白シャツ姿でピッチに倒れ込んだ映像は、今も語り継がれています。
男女ともにW杯で指揮
サウジアラビア代表退任後はフランス女子代表監督も務め、異なる国を率いて3大会連続でW杯に出場した史上4人目の指揮官でもあります。
パートナーについて──サッカー界をまたぐ縁
ルナール監督のプライベートが気になって調べた方も多いかもしれません。
法的な婚姻関係はなく、パートナーはヴィヴィアンヌ・ディエイ(Viviane Dièye)氏。彼女はセネガル代表を2002年ワールドカップでベスト8に導いた名将、故ブルーノ・メツ氏の元妻です。メツ氏は2013年に60歳で亡くなっています。
2002年の日韓W杯といえば、当時の世界王者フランスを初戦で撃破してセネガルが世界を驚かせた大会です。そのフランスを倒した監督の元パートナーと、今またW杯の舞台に立つ。サッカー界の縁の深さを感じます。なお現在も交際が継続しているかは確認できていません。
チュニジアへの電撃就任、日本戦が待っている
チュニジアはグループF初戦でスウェーデンに1対5の大敗を喫し、サブリ・ラムシ監督を電撃解任。わずか2日後の6月16日、ルナール氏の就任が発表されました。
ルナール監督はサウジアラビア代表監督時代に森保ジャパンと3度対戦しており、通算成績は1勝1分け1敗。直近では2025年3月の北中米W杯アジア最終予選でも対戦しています。日本代表のことを知り尽くした指揮官です。
日本戦まであと数日。チームを立て直してくる可能性は十分にあります。
あとがき
プロフィールを調べれば調べるほど、「ただのイケオジじゃなかった」と驚かされました。
清掃会社を経営しながら夜に指導者の道を歩み続けた下積み時代、ザンビアに初の栄光をもたらした奇跡の優勝、アルゼンチン撃破……57歳にしてこの経歴、そしてあの白シャツ。
日本代表には絶対に勝ってほしいのですが、ルナール監督の采配も、つい目で追ってしまいそうです。
まとめ
- チュニジア新監督はフランス人のエルヴェ・ルナール氏(57歳)
- 清掃員から指導者に転身した異色のキャリアの持ち主
- 白シャツ&端正な容姿で「白シャツの魔術師」と呼ばれイケオジとして世界的に有名
- アフリカ3か国でネイションズカップ制覇、アルゼンチン撃破など実績は本物
- パートナーは故ブルーノ・メツ元監督の元妻ヴィヴィアンヌ・ディエイ氏(現在の交際状況は不明)
- 日本代表を熟知した強敵として、グループF第2戦に臨む
