岸田奈美の“結婚”をきっかけにnoteを読んだら人生まるごと詰まってた

有名人

※記事内に広告が含まれています

仕事の休憩中、何気なくInstagramを開くと、「岸田奈美 結婚」というおすすめ投稿が目に飛び込んできました。

「岸田奈美って誰?」
正直、私はその名前を知りませんでした。

気になって、さっそく「岸田奈美」とGoogleで検索。
すると「作家・エッセイスト」と出てきます。
どうやら2019年にnoteで公開した記事がバズり、注目を集めたとのこと。
翌年には会社を辞め、作家として独立したそうです。

記事1本が人生を変えるなんて、すごすぎる。
本が売れにくいこの時代に、noteの反響だけで作家になれるとは想像もつきませんでした。

デビュー作は『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』。
あ、これ、聞いたことある。
2023年にはこのエッセイをもとに、NHKで連続ドラマにもなっていたんですね。

ドラマになるほど話題になっていたのに私はその時スルーしてしまっていたようで、ちょっと勿体ないことをした気がします。


電車の中で読んだ、noteの世界

仕事帰り、電車の中でふと思い出しました。
そういえば、さっき調べた「岸田奈美」さんのnoteが気になっていたんだった。

普段なら本を読む時間なのですが、その日に限って読み終えてしまっていて手元に何もない。
そんなとき、スマホでnoteを開いてみました。

まず目に入ったのは『はじめて岸田奈美のnoteを読む人へ』という導入記事。

100文字で済むことを、2000文字で書く。作家の岸田奈美です。

この一文だけで、ただ者ではないオーラが漂ってきます。

続く「わたしについて」には、こんな自己紹介が。

1991年、神戸市北区生まれ。中学2年生のときに起業家の父が突然死、高校1年生のときに母が心臓病で車いす生活、弟が生まれつきダウン症。認知症で荒ぶる祖母と、よく吠えるかわいい犬の梅吉も一緒に毎日が楽しい。

・・・ちょっと待って。
お父さんが亡くなっていて、お母さんは車椅子生活。弟さんはダウン症。お祖母さんは認知症。

どれか一つだけでも相当大変なのに、そんな状況がいくつも重なっていて言葉を失ってしまいました。

でも、その文章の最後にさらりと「毎日が楽しい」と書かれているのがすごい。
他人が勝手に「不幸だ」「かわいそうだ」と言うのは違うのかもしれませんね。

「もうあかんわ日記」が心に刺さった

note内の「連載をまとめて読む」から、『もうあかんわ日記~2ヶ月間の限界家族~』という連載を発見。
初回らしき記事を読んでみて、はっきり分かりました。

やっぱり、本当に大変だったんだと。

入院中のお母さんをお見舞いに行く筆者が友人に送った写真が載っていて、マスク越しに笑っているようでも、どこか疲れがにじみ出ている。
この日記は、母の大手術・入院という過酷な状況の中で、「絶望に落ちないようにするため」に書き始めたそうです。

お母さんが退院して落ち着くまでの間、岸田さんは毎晩21時にnoteを更新し、計37日分の「限界家族」の日々を綴りました。

最終回にあたる「もうあかんわ日記を終わります」にはこう書かれています。

もうあかん。
これ以上は頑張れん。
つらすぎる。
しんどい。
全部やめたろかな。

そんなことをこのところ毎日、思ってきた。
毎日、小さく死んできた。

この言葉のリアルさに、胸が締めつけられました。

あまりにも過酷すぎて、誰かに軽く話せるような内容ではない。
だからこそ、このnoteという場所に書いて、たくさんの人に「聞いてもらった」のだと思います。

読者はきっと、共感して、応援して、励ました。
岸田さんだけでなく、読んだ人の心も救われたのではないでしょうか。

引き込まれる文章力と優しさ

もともと私は本が好きで、若い頃はよく読んでいました。
今は通勤時間くらいしか読めていませんが、活字にはずっと親しんでいます。

そんな私が言えるのは――岸田奈美さんの文章、本当にすごいです。

つい数日前までまったく知らなかったのに、少し読んだだけで引き込まれて、気づけば調べて、こうして文章まで書いています。

辛い状況を日記に書き出して昇華させる人はたくさんいます。
私が同じことをしたら、きっと愚痴だらけになってしまうでしょう。

でも岸田さんのエッセイには、たとえ愚痴やしんどさが含まれていても、読んでいて全く嫌な気持ちになりません。

「本当は嫌だったけど、それもいい経験だった」と、きれいにまとめようともしない。
かといって悲劇的に盛ることもない。

ただ素直な心情を、ユーモアや優しさをもって表現しているんです。
それはもう、天性の文才と読者への思いやりのなせる技だと思います。

これからもっと読んでいきたい

「岸田奈美 結婚」という一つの投稿に引っかかり、気になって調べて、noteを読んで、
気づけば人生そのものに触れたような感覚になりました。

結婚相手は誰?と思って、岸田さんご本人のnote『弟にコンビニでおごられる人だから、結婚した』という記事も読もうとしたのですが……こちらは1,000円払わないと読めない有料記事でした。

でも、きっと素敵な内容に違いありません。

いろんなことを乗り越えてきた岸田さん、本当にご結婚おめでとうございます。

これからエッセイや小説も、少しずつ読んでいきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました