まらしぃ『marasy piano world88』感想|印象に残った楽曲たち

まらしぃさん
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ピアニスト・まらしぃさんの最新アルバム「marasy piano world88」が2026年2月4日にリリースされました。

シリーズとしては約8年ぶりの新作ですが、8年前はまだまらしぃさんの存在を知らなかった私にとって、このアルバムは“シリーズの続編”というより、まったくの新作として受け取っています。

今回は、このアルバムをじっくり聴いた感想をまとめてみました。

購入特典について

今回は楽天ブックスで購入しました。

このCDは Amazon、タワーレコード、HMV&BOOKS online、Sony Music Shop、楽天ブックス、ヨドバシ.com、山野楽器など、さまざまなショップで購入できます。そしてショップごとに特典が異なるのが悩ましいところ。

昨年購入した「Piano monkeys」は7ネットの特典が圧倒的に良かったので迷わず選べたのですが、今回は「これだ!」という決め手がなく…。

悩みに悩んだ結果、ジャケットイラストが印刷されたクリアポーチが付く楽天ブックスに決めました。

アルバムについて

初回限定版には、まらしぃピアノとストリングス四重奏によるスタジオ生REC映像「marasy with 弦楽四重奏 Studio Recording」のDVDが付属し、ジャケットも3D仕様になっています。

現在開催中のアジアツアー「marasy Piano Live Asia Tour 影奏会 EN-SOUKAI」。
昨年末の前夜祭に参加した際はまだアルバムがリリース前だったため、一夜限りの特別なセットリストでした。

5月のライブにも参加予定なので、このアルバムの収録曲がどのようにライブアレンジされるのか、今からとても楽しみです。

一番印象に残った「愛して愛して愛して」

収録曲は全15曲。そのうちオリジナル曲は「88☆彡」と、あいち県民のテーマソング「愛を知る」の2曲。
それ以外はカバーが中心ですが、どれもアレンジが本当に素晴らしく、原曲の魅力を損なわないまま“まらしぃ節”がしっかり息づいています。

どの曲も印象的で順位は付けられませんが、、あえて「強烈に印象に残った曲」を挙げるなら、やはり「愛して愛して愛して」。

この曲を知ったきっかけ

実はこの曲、かなり前に発表された楽曲なのですが、私が知ったのはつい最近。
年末に『日本レコード大賞』を何気なく見ていたとき、Adoさんが歌っていたのを耳にしたのが、この曲との最初の出会いでした。
当時は原曲の存在を知らず、「Adoさんの新曲なのかな」と思ってしまったほどです。

圧倒的な迫力、独特の世界観、息を呑むような緊張感。
てっきりAdoさんの新曲だと思い込んでしまったほどです。

その後、まらしぃさんがYouTubeで「愛して愛して愛して(Love me, Love me, Love me)」のピアノカバーを公開。
そこで初めて、この曲が2013年にきくおさんが作ったVOCALOID(初音ミク)楽曲として発表された曲だと知りました。

まらしぃさんの「愛して愛して愛して」はどうすごいのか

ここは言葉にするのがいちばん難しいのですが、私なりに整理してみました。

原曲は、狂気・執着・孤独が渦巻くような、きくおさん特有の“おどろおどろしさ”が前面に出た楽曲です。
不安定で、どこか壊れそうで、それでいて美しい。そんな独特の空気感があります。

まらしぃさんのピアノアレンジは、その世界観をしっかり踏まえつつも、ただ再現するだけではありません。

● 不気味さの中に「温度」がある

鍵盤のタッチが柔らかく、原曲の鋭さが少し丸くなっている。
その結果、恐怖や狂気よりも、むしろ“寂しさ”や“弱さ”が前に出てくる。

● 感情の揺れが手に取るように伝わる

強く叩きつけるような部分と、今にも消え入りそうな弱音の対比が鮮やかで、「愛してほしい」という叫びが、より人間的で切実に響く。

● ほんの少しの「可愛らしさ」

これはまらしぃさん特有だと思うのですが、どんなにダークな曲でも、どこかに“遊び心”や“軽やかさ”が潜んでいる。
そのニュアンスが、この曲の重さを中和し、聴きやすさにつながっている。

結果として、原曲の世界観は保ちつつも、「怖い曲」ではなく「胸が締めつけられる曲」へと変化しているように感じました。

まらしぃさん自身も「ずっと弾きたかった曲」

まらしぃさんはこの曲が大好きで、ずっと弾きたかったものの難しすぎて一度は断念していたそうです。
原曲を聴けば納得。あの独特の構成と空気感をピアノで再現するのは、相当な難易度です。

それでも今回、アルバムに収録してくれたことが本当に嬉しい。
きくおさんの世界観と、まらしぃさんの表現力がぶつかり合い、見事に融合した一曲だと思います。

癖になる。何度も聴きたくなる。
そんな中毒性のある楽曲です。

他の収録曲についての感想

「愛して愛して愛して」それだけでも聴く価値があるアルバムですが、他の曲も本当に粒ぞろいです。
全15曲、それぞれに「この曲を今、まらしぃさんが弾く意味」があるように感じました。

アンパンマンのマーチ

1曲目からまさかのアンパンマン。
もはや相棒になったアンパンマンピアノ(正式名称は「キラ★ピカ★いっしょにステージ ミュージックショー」)で演奏するまらしぃさんにとっては、思い入れのある曲。
シンプルなメロディだからこそ、音の選び方や間の取り方の上手さが際立ちます。

テトリス

ユニット「ろじえも」名義でも演奏している曲で、お気に入りなのでしょう。
ブロックが落ちてくるあの独特の焦燥感と、どこかクセになるループ感が、ピアノで見事に再現されています。
テンポ感が気持ちよくて、作業用BGMにもぴったり。

ライラック

Mrs. GREEN APPLEの爽やかな一曲。
原曲の“春風みたいな明るさ”はそのままに、ピアノになることで少し大人っぽい切なさが加わった印象です。
サビの開放感がとても気持ちいい。

Bad Apple!! feat. SEKAI

東方アレンジとして有名な一曲。
リズムの刻み方が心地よく、低音のうねりがクセになります。
毎回違うアレンジを聴かせてくれるのが嬉しい。

夜に駆ける / アイドル

YOASOBI枠2曲。
「夜に駆ける」は、原曲の言葉の多さがピアノになることで“感情の流れ”として伝わってくる感じ。
「アイドル」は、細かいフレーズがキラキラしていて、とにかく楽しい。
後に幾田りらさんと「THE FIRST TAKE」で共演する流れにもつながる、印象的な楽曲です。

きゅうくらりん

ボカロ・ネット発の楽曲。何となく聴いたことがあって、初めて曲名を知りました。
独特の浮遊感と不安定さがピアノで表現されていて、聴いていてふわふわと心が揺れるような感覚に。

THE BLUE HEARTSの真島昌利が作詞・作曲した名曲。
2024年にはサントリー「ほろよい」のCMソングとして、塩入冬湖の歌唱とまらしぃのピアノ演奏によるカバーが使用され、個人的にも強く印象に残っている一曲です。
原曲のロック感とは異なる、静かで温度のあるピアノアレンジが印象的でした。

Lemon

説明不要の名曲。
歌詞がなくても、あのサビのフレーズだけで胸がぎゅっとなる。
静かに始まり、少しずつ感情が積み上がっていく構成がとても丁寧で、「何度も弾いてきた曲なんだろうな」と感じさせられます。

NEO

じん(自然の敵P)が作詞・作曲を手がけた楽曲。
「新人類」などでまらしぃさんともコラボしており、音楽的なつながりの深いクリエイターです。
近未来的な空気感と疾走感のあるアレンジが印象的で、ピアノでありながらクールな世界観が際立つ一曲だと感じました。

ちょっとつよい魔王

二宮和也主演のドラマ『ブラックペアン』で印象的に使用された楽曲。
ろじえもライブや「影奏会 EN-SOUKAI」前夜祭、YouTube配信などでもたびたび演奏されており、まらしぃさんにとっても思い入れの深い一曲です。

メリークリスマス

2014年10月にリリースされた嵐のアルバム『THE DIGITALIAN』に収録されている二宮和也さんのソロ曲で、まらしぃさんがピアノで参加しています。
二宮さんとの音楽的なつながりを感じさせる一曲です。

88☆彡 / 愛を知る

アルバムの軸になっているオリジナル2曲。
「88☆彡」は、鍵盤の数“88”と星のきらめきが重なるような、まらしぃさんらしいピアノ賛歌。
「あいち県民の日」テーマソングの「愛を知る」は、地元への愛情と、日常を大切にする気持ちがぎゅっと詰まったような一曲で、アルバムのラストを温かく締めくくってくれます。

まとめ

「marasy piano world88」は、「有名曲を並べたカバー集」ではなく、“まらしぃさんのこれまでと今”を、ピアノで振り返る一枚だと感じました。

私自身は、「愛して愛して愛して」に心を持っていかれつつも、聴き返すたびに別の曲の良さに気づいていく、そんな“じわじわ系”の一枚になりました。

まらしぃさんの“今”を知るなら、まずこの1枚から。そう思わせてくれるアルバムでした。

5月のライブで、この中のどの曲が演奏されるのか。
生のピアノでこのアレンジを浴びるのが、今から本当に楽しみです。


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