2025年12月19日、Prime Videoで世界独占配信が始まった湊かなえ原作のドラマ「人間標本」を視聴しました。
湊かなえ作品を観るのは久しぶりでしたが、“イヤミスの女王”らしい、胸にざらりと残る不穏さと緊張感が印象的で、物語が進むほどに不安が積み重なっていく独特の後味を味わえる作品でした。
なかでも特に気になったのが、物語の起点となる「標本が発見された場所」です。
ドラマの雰囲気を決定づける重要なシーンだけに、「この場所は実在するのだろうか?」と興味が湧き、ロケ地について調べてみました。
この記事では、「人間標本」のロケ地を中心に、どこで撮影されたのか/実際に行ける場所なのか
という視点で整理していきます。
主要人物とキャスト
● 榊史朗(さかき しろう) — 西島秀俊
蝶の研究に人生を捧げてきた大学教授。
静かな佇まいの奥に、強烈な美意識と危うさを秘めた主人公。
● 榊至(さかき いたる) — 市川染五郎
史朗の息子。
父との複雑な関係性を抱えながら、物語の核心に深く関わっていく存在。
● 一之瀬留美(いちのせ るみ) — 宮沢りえ
世界的に活躍するアーティスト。
史朗や少年たちと関わることで、物語に新たな視点をもたらす。
● 一之瀬杏奈(いちのせ あんな) — 伊東蒼
留美の娘。
過去と現在をつなぐ重要な役割を担い、物語の感情面を支える。
● 少年たち(5名)
荒木飛羽、山中柔太朗、黒崎煌代、松本怜生、秋谷郁甫
あらすじ
物語は、蝶の研究を専門とする大学教授・榊史朗(西島秀俊)が、警察に対して「自分が6人の少年を“標本”にした」と告げる衝撃的な場面から始まります。
その中には、彼の息子・榊至(市川染五郎)も含まれていると語られ、周囲は大きな混乱に包まれます。
史朗は穏やかな口調で犯行を認めながら、その理由を「美を永遠に留めるため」と説明します。
それが狂気なのか、ある種の美学なのか――
視聴者は彼の言葉の真意を探りながら物語に引き込まれていきます。
ドラマは 過去と現在を行き来する構成 で進み、蝶の色彩に魅せられ、美に取り憑かれていく史朗の内面、彼と関わるアーティスト・一之瀬留美(宮沢りえ)とその娘・杏奈(伊東蒼)、そして才能ある少年たちの姿が少しずつ明らかになっていきます。
“美とは何か”“人間の本質とは何か”その境界線を問いかけるミステリーサスペンスとして、観る者に強烈な余韻を残す作品です。
ロケ地情報:「人間標本」の撮影舞台
ドラマ「人間標本」では、物語の耽美で不穏な世界観を支えるため、実在する建築物や自然豊かなロケーションが数多く使用されています。
ここでは、現地に行ける場所/行けない場所の視点も交えながら、確認できているロケ地を紹介します。
栃木県庁 昭和館(栃木県宇都宮市)
【聖地巡礼:行ける】
登場シーン:作中の「長野県警察本部」の外観および内部シーン。
所在地:栃木県宇都宮市馬場通り1丁目1-20
備考:昭和初期の建築様式が残る、重厚感のある建物。
栃木県フィルムコミッションの撮影実績により、本作のロケ地として確認されています。
実在の県庁舎であり、外観は一般見学も可能なため、ドラマの緊張感ある警察シーンを思い浮かべながら訪れることができる、貴重な“行ける聖地”です。

実際に地図で見ると、市街地の中心にあることに驚きました。
こんな日常のすぐそばで、あの静かな狂気が描かれていたと思うと、少し背筋が伸びます。
中部大学 蝶類研究資料館(愛知県春日井市)
【聖地巡礼:条件付きで行ける】
登場シーン:主人公・榊史朗の研究に関連する施設シーン(研究室・資料館周辺など)。
所在地:愛知県春日井市松本町1200(中部大学キャンパス内)
備考:実際に蝶類研究が行われている専門施設。作品のテーマである「蝶の美学」や「標本」というモチーフと強く重なるロケーションです。
大学キャンパス内施設のため、見学可否や立ち入り範囲には注意が必要ですが、外観や周辺の雰囲気からでも、作品世界を感じ取ることができます。

キャンパスの一角にひっそりとある立地も印象的です。
人目につきにくい場所で研究が進められていたと思うと、作品の空気感がよりリアルに感じられました。
茨城県 行方市(なめがたし)
【聖地巡礼:場所特定不可】
登場シーン:標本発見シーンを含む、自然を背景にした重要な場面。
所在地:茨城県行方市内の複数箇所(詳細非公開)
備考:行方市フィルムコミッションが撮影支援を公式に発表しています。ただし、具体的な撮影ポイントは非公開。
湖畔や林道など、手つかずの自然が多く残る地域であり、物語の不穏さと静けさを象徴する風景が印象的に使われています。
特定の場所を巡礼することは難しいものの、「この空気感があのシーンにつながっているのかもしれない」と想像しながら訪れる楽しみ方ができそうです。

撮影場所が特定されていないことで、「どこで起きてもおかしくない出来事」として受け取れるのが、このシーンの怖さだと思いました。
台湾
【聖地巡礼:現地特定不可】
登場シーン:榊史朗(西島秀俊)と榊至(市川染五郎)の親子シーンなど、物語の背景を広げる場面。
所在地:台湾国内の複数箇所(詳細非公開)
備考:メイキング映像などで撮影の様子が確認されていますが、具体的なロケ地は公表されていません。
異国の街並みや自然風景が、物語に現実から一歩離れた奥行きを与えており、作品の世界観を静かに拡張する役割を果たしています。
まとめ:ロケ地から見る「人間標本」の世界
「人間標本」のロケ地は、
✔ 実際に訪れることができる場所
✔ あえて場所を伏せることで想像力を掻き立てる場所
その両方が巧みに使い分けられています。
実在する建築や自然を舞台にすることで、物語の狂気や美意識が「どこか遠いフィクション」ではなく、私たちの現実と地続きであることを強く印象づけているのかもしれません。
ロケ地を知ったうえで改めて視聴すると、背景の一つひとつがより不穏で、より意味深く感じられる作品です。

